旧・エッセイ「思い違い」 僕の関わった同人詩誌「群青」第12号(2008年6月25日・刊)より、エッセイ「思い違い」を転載します。 思い違い 新サスケ 誰でも長いあいだ思い違いをしていた事の幾つかはあるだろう。 僕は中学生の頃か、滝廉太郎・作曲の「荒城の月」の出だし、「春高楼の花の宴」の「高楼の」を「頃の」を伸ばして歌うのだと思っていた。「高楼」という難しい言葉を知らなかったのだ。 また島崎藤村の詩集「若菜集」より「初恋」の、「誰が踏みそめしかたみとぞ」の「かたみ」を「固み」だと思っていた。遺品以外にも「形見」という言葉を使うと知らなかった。 高校文芸部の後輩に「寂寥」の読み方を問われて「せきびゅう」だろうと言ったら、知っている者に笑われた。「誤謬...15Apr2019
デジタリアンもどき 僕が関わった同人詩誌「群青」第14号(2009年2月25日・刊)より、旧・エッセイ「デジタリアンもどき」を転載する。10年前の事なのに、デジタルの進歩は速く、隔世の感がある。 デジタリアンもどき 新サスケ ベジタリアンをもじって、ジベタリアン、デジタリアンという言葉が生まれた。 ベジタリアンは、菜食主義者という意味である。ジベタリアンとは、コンビニ等の前の地べたに座って、雑談したりものを食べたりしている高校生等を指している。デジタリアンとは、デジタル機器をうまく操作できる人を指す。 僕は、デジタル機器をうまくは操作できないけれども、しばしば関わっているので、僕とデジタル機器の経過を語ってみたい。 僕が初めて就職した税理士事...31Mar2019
エッセイ「第4回苜蓿忌」 僕が関わった同人詩誌「群青」第16号(2009年10月31日・刊)に載せたエッセイ、「第四回苜蓿忌」を、ここに転載します。昨年には、第十三回苜蓿忌が催されました。 第四回苜蓿忌 新サスケ 十月十日の土曜日、午後二時より、詩人の故・広部英一さんを偲ぶ第四回苜蓿忌が催された。 旧・清水町「きらら館」前公園の、広部さんの詩碑の前で、碑前祭。 女性の司会で、実行委員の増永迪男さんの挨拶のあと、後藤ふじゑさんが広部さんの詩「前世」を朗読した。 「広部英一を語る会」の部では、川上明日夫さんが、「去る者日々に濃し」と述べて、参集者が年々増えているなど、人々の広部さんへの思いが濃くなっていると語った。 また定道明さんは、広部さんが詩の師・...20Mar2019
挫折 同人詩誌「群青」第20号(2011年2月・刊)に載せた、僕のエッセイ「挫折」を転載します。 挫折 新サスケ 今年(2011年)1月12日に、それまで使っていたパソコンが立ち上がらなくなった。出張してもらった修繕屋さんはリカバリーを勧めたけれど、結局、新しいパソコンを買う事になった。 データは移行しなかったけれど、僕のブログは再開できたし、ネットの「お気に入り」の大事なものは復帰したか、復帰できる状態にある。 それに関わって、あるいはそれ以外にも、挫折した事が幾つかあるので、ここに記しておきたい。 まず今年初めに、パソコンに導入した会計ソフトを、再導入せず、中止した。会計ソフトにはメモリが不足して、パソコン故障の原因となった...06Mar2019
協力 同人詩誌「群青」(年3回・刊)の第23号(2012年3月1日・刊)に載せた、僕のエッセイを紹介します。再任用職・時代の話です。 協力 新サスケ 僕達の仕事は、客商売であり、力仕事でもある。冬の間は客が少なく、作業も少ない。 プラットホームと呼ばれる作業場の、控え室で相棒とラジオを聞いている。FMの地域局である。平日の午前九時から十時まで、繰り返し懐メロが流れる。 女性歌手の歌謡曲を聞きながら、僕は 「ヤッさん、この歌手は誰やったかな?」 ヤッさんは僕より三つ年上、この歳になれば同年代である。 「んー、誰やったかなあ」 「『あけみ』でなかったけ。下がひらがなやった気がする」 「んー。曲さえあわかればな」 「曲はわかる。『喝采...15Feb2019
第三の大衆詩型 前回に続いて、同人詩誌「群青」第29号(2014年2月・刊)に寄せた、小論を載せる。 第三の大衆詩型 新サスケ 現在、大衆詩型として、短歌と俳句がある。芸術詩と大衆詩とに分化すると説く人もいる。 短歌(和歌)は「万葉集」以前より記録され、のちには宮廷とその周辺の文学となったようだ。 俳句は、連歌の発句が独立し、一詩型となった。芭蕉は武士と大商人を頼りとし、大衆的には点取り俳諧もあった。 明治の正岡子規が、俳句と短歌を革新し、新しい大衆詩の基礎を作った。もっとも彼は、世界詩としての俳歌を目指していた所がある。 敗戦後、とくに生活にゆとりが出来て以来、俳歌は盛んとなり、女性の進出も著しい。 心情を短く述べる事、また定型に収める...04Feb2019
図書カード 同人詩誌「群青」(2015年、34号で終刊)に交代で載せたエッセイの内、自分の分を逆年順にアップしてゆきたい。まず33号(2015年6月・刊)から、「図書カード」を。 図書カード 新サスケ ある土曜日の午後、妻が笑顔で「図書カード、要らない?」と訊く。「貰うよ」と僕。 さほど嬉しそうでもなかったのは、最近ではネットで本を買う事が多く、書店で買いたい本が、すぐには浮かばなかったからだ。「千円分あるわよ、はい」。 二週間後の平日午前、僕は車で「KaBoS 二の宮店」へ向かった。二年ぶりくらいか。家より遠くて、ガソリンと時間が掛かるのはドライブと思えば良いが、トラブルめいた事があって、足が遠のいていた。店は広くて、品揃えも多いのだ...19Jan2019
「群青」一代記 元旦の記事「ネット爺さん奮戦記」に先んじて、毎日新聞・福井版のリレーエッセイ「へしこ」に、2016年10月27日付けで載せて貰った1文を紹介する。1部、伏字、ハンドルネームへ変更などがある。ペンネームは、そのまま表記した。 「群青」一代記 新サスケ 所属していた県内の同人詩誌「螺旋」が、1996年3月31日付けの第60号をもって休眠した。 僕は鯖江市内の詩人を主とした同人詩誌「青魚(せいぎょ)」に作品を発表させてもらうようになった。ただし「螺旋」同人(60号で9名)のうち、鮮やかな抒情詩で登場した、こぐま星座(ハンドルネーム)さんが、年刊詩集「詩集ふくい」(県詩人懇話会・刊)にしか発表できなくなった事を惜しんだ。 こぐま星...05Jan2019
ネット爺さん奮戦記 毎日新聞福井版の2016年11月24日、リレー・エッセイ「へしこ」に載せた、僕のエッセイ「ネット爺さん奮戦記」を転載する。 1部、編集局の配慮で伏せたブログ会社名など、復活してある。字数の制限があり、しまいを端折ったのが残念である。 ネット爺さん奮戦記 新サスケ僕は詩を書き発表しながら、同人歌誌「地楡(われもこう)」(足立尚計氏・代表)で短歌の世界に導かれ、1993年、43歳の時に結社誌「コスモス」に参加した。数年が過ぎ、結社内の季刊同人歌誌「棧橋」に申し込んで同人となった(後に退会)。 「棧橋」同人の先輩たちがブログやホームページを設けて活躍しているのを見て、僕もブログを持ちたくなった。それで県内のインターネットサービス...01Jan2019
「第38回 会員の詩集を祝う会」へのお礼 「福井県詩人懇話会会報」第99号(2018年10月20日・刊)に載せてもらった、「「第38回 会員の詩集を祝う会」へのお礼」を転載します。1部、ハンドルネーム、伏字、追加があります。県詩人懇話会の祝う会(中日詩話会をかねて)は、2018年9月15日に催されました。 「第38回 会員の詩集を祝う会」へのお礼 新サスケ 先月15日の「第38回 会員の詩集を祝う会」では、他のお二方の詩集と共に、僕のkindle本詩集「日々のソネット」をお祝いくださり、ありがとうございます。他のお二方は紙本の詩集で、以前に、あるいは会場で配られていましたが、「日々のソネット」はkindle版で、そういう訳にも行かず、...21Dec2018
「決定版 Ⅶ 方言集 -福井市とその近辺-」全文 ブログ「風の庫」12月15日記事「決定版 Ⅶ 方言集 -福井市とその近辺ー」が好評のようだったので、全語425語を以下に掲載します。約25年かけての労作です。行の左端が方言、右へ3欄が一般語です。読みにくければすみません。 方言ですから、野卑な言葉、罵言もあります。その事はご理解ください。 また内容に誤りがあるかも知れません。諸氏のご叱正を待ちます。16Dec2018
11月月末28日(水曜日):26日に某事務用品店に印刷を注文した、年賀状80枚を受け取りにゆ く。車で片道30分と、遠い。 29日(木曜日):午前中、喫茶店でメンバー3人の短歌研究会を持つ。 ブログに記事アップ済み。30日(金曜日):午後、K皮膚科医院へ行く。皮膚疾患はタムシでなく、湿疹との事。 塗り薬と飲み薬を貰って帰る。01Dec2018